FEATURE - 2022.02.18

マッチョなアナタもステキ。太いタイヤを装着してみたい!

タイヤのサイズアップカスタムのお話

先日はカスタムネタばらしに関してご紹介しましたが、今回はその派生ということで、タイヤカスタムのお話。

 

自転車のカスタムの中でも「タイヤ」は、太くするとクッション性が増したり、細くすると転がりがスピーディになったり…乗り心地はもちろんのこと、見た目に占める面積も大きいため交換するとガラッと印象が変わるのもあって、ファーストカスタムとして人気ですよね。
お洒落は足元からとはよく言ったものです。

 

とはいえタイヤにも様々なサイズがあり、今あなたの持っている自転車に対して、どんなタイヤでも自由に選べるというわけではありません。
700cや27.5inch など、一口に自転車のタイヤと言っても様々な規格 / 表示形式がありますが、まあそのあたりは他でも詳しく書かれている記事がたくさんあると思うのでここでは割愛させていただくとして…。

 

注意していただきたいことが、フレーム側の「タイヤクリアランス」。少しぐらい標準より太いタイヤに交換しても平気なものから、標準タイヤから少しでも太くしようものならフレームに干渉してしまうものまで、その「許容範囲」はお持ちのフレームに固有のものなので、正直なところ実際に取り付けてみないことには…というのが本音です。

 

「このモデルはどのぐらいのサイズまで入りますか?」というお問い合わせなんかもしばしばいただくのですが、残念ながら弊社でも全てのモデルの最大タイヤクリアランスを把握できておらず、場合によっては明確にお答えすることができていないのが現状です…。

 

そこで今回は、街乗りクロスバイクの定番や、ちょっとしたグラベル(未舗装路)走行にも対応するモデルまで、サイズアップの需要が多いものから4台をピックアップ。実際にタイヤを付け替えてみて、「実際どれぐらい太いタイヤがつけられるの?」「FUJIの中で最も太いタイヤを装着できるのは?」みたいなところを検証してみることにしました。

 

 

あくまでクリアランスサイズ上の目安ではありますが、ぜひサイズアップカスタムの際の参考にしていただければと。

 

 

*今回の記事はあくまでフレームとタイヤのクリアランスを検証するものであって、タイヤだけを交換してサイズアップ/ダウンを推奨するものではありません。リムやチューブなど、ホイール側にもやはり装着するタイヤの太さに適性の範囲があります。
タイヤサイズを変更する際は、お近くの自転車販売店に相談し、ホイール(リム)やタイヤチューブもそのサイズに対応したものを装着すること、フレームとのクリアランス上は許容範囲内であっても、実際にはホイール側で推奨する適正範囲を越えてカスタムすることのないよう、くれぐれもお気をつけください。適正範囲外の場合はタイヤに合わせてそれらも交換することをお忘れなく。
また、カスタム後の「許容範囲」の基準とするのはJIS規格にて設定されている6mmのクリアランス。以前は2mmのクリアランスが求められていましたが、2019年の改定によりもう少し余裕を持ったクリアランスが必要になりました。

 

 

ついつい前置きが長くなりましたが…それではいってみましょう。エントリーは、以下の4モデル。

 

RAIZ DISC

FEATHER CX +

TALAWAH

JARI 1.7

 

まずはクロスバイクの決定版RAIZシリーズから、今回はRAIZ DISCで検証です。

まずこちらが標準の仕様で(700×32c)
こちらはカスタム後(700×40c)
フロントタイヤ周り
リアタイヤはボトムブラケット後ろの周辺クリアランス

今回は倉庫にあった40cのタイヤを装着してみましたが、まだクリアランスに余裕があり、この感じだと42cぐらいのもう少し太いタイヤでも入りそうです。
今回検証したのはディスクブレーキ仕様の RAIZ DISC ではありますが、Vブレーキ採用の RAIZ に関しても、基本的なフレーム設計は同じなので、クリアランスの目安にしていただければと思います。

 

 

続きまして、名機FEATHERから受け継いだホリゾンタルクロモリフレームをベースに、ディスクブレーキ+標準で32cというやや太めのタイヤを履き、幅広いフィールドで活躍するユーティリティ性の高いモデルとして定評のあるFEATHER CXシリーズ。今回はドロップハンドル採用のFEATHER CX +で検証しました。

こちらが標準仕様の様子(700×35c)
そしてこちらがカスタム後(700×38c)
カスタムしたフロントタイヤ周り
リアタイヤはボトムブラケット後ろの周辺クリアランス

カスタムでは38cのタイヤを装着してみました。
正直なところ、このぐらいだと見た目に大きな変化は期待できませんが、乗り心地の変化は多くの人が感じられると思います。

 

そして…結果としては残念ながらリアのチェーンステー部分はおよそ5mmのクリアランス…つまり、38cはJIS規格上、難しいですね…。そのため、こちらはデフォルトの35c以上のタイヤを取り付けるのはお勧めできません。もちろん、それでも日常の走行ではむしろかなり安心感のある太さではありますが…。

 

 

お次は、650Bホイールを採用したクロスバイク TALAWAH。27.5×1.75(=およそ44cm)という太めのタイヤで、標準でも存分にエアボリュームを堪能できるモデルではありますが、製品特性上もっと太いタイヤを履きたい!という方も少なくないようで、こちらもちょくちょく問い合わせをいただきます。

まずは標準仕様から(27.5×1.75")
こちらはカスタムした写真(650×47c)
カスタムしたフロントタイヤ周り
リアタイヤはボトムブラケット後ろの周辺クリアランス

今回は650×47cという倉庫にあった最も太いタイヤを装着。
見ての通り、カスタム後もかなり余裕があり、まだ太いタイヤも飲み込めそうですね!これは間違いなくチャンピオン候補ですね。

 

 

最後に、グラベルのハイエンドJARIシリーズより、エントリーグレードのJARI 1.7で検証。こちらはシリーズの特性上、極端な太いタイヤに交換される方は少ないものの、せっかくなので検証してみました。こちらは標準では38cがインストールされています。

標準の仕様(700×38c)
カスタムされた写真(700×40c)
カスタムしたフロントタイヤ周り
リアタイヤはボトムブラケット後ろの周辺クリアランス

カスタムではRAIZ同様に、40cを装着してみました。RAIZほどのクリアランスはありませんが、それでもJIS基準をクリアできそうなクリアランスはありました。ワンサイズアップぐらいであれば可能そうです。

 

 

 

ということで今日のまとめ。

 

とにかくマッチョな自転車に乗りたいんだ!
FUJIのラインナップの中で一番太いタイヤがつけられるモデルが欲しい!一体どれを選んだらいいんだ?
そんなあなたにお勧めできるのは…..

47cのタイヤを履いてなお、余裕のクリアランスを確保していたTALAWAHでした!

 

自転車を構成する様々なパーツの中で、代表的な消耗品の一つでもあるタイヤ。
(大手タイヤメーカーの推奨によると、ロードバイク・クロスバイクのタイヤの寿命は、走行距離目安でおよそ3,000kmと言われております)
全体の見た目の中で占める面積も多く、カスタムするだけでルックスの変化もなかなかのものですが、今回ぐらいの思い切ったサイズアップは、当然ながら乗り味にもダイレクトに変化が現れます。

 

最初からこだわりの乗り心地を求める方はもちろん、ちょうどそろそろ替え時だなというあなたや、思いがけずパンクしてしまった時などの「せっかくなのでついでにカスタム」で気軽にトライするでもOKかもしれません。

正しい整備やメンテナンスで、長く乗ることができるFUJIの自転車。ちょっとしたカスタムでいろんな可能性を試すのも悪くない。ひょんなことが、愛車の新たな一面を発見する良いきっかけになるかもしれませんね。

 

 

ちなみに、タイヤに書かれている数値というのははあくまで目安。表記サイズが同じでもメーカーによって微妙にサイズ感が違う、というのはスニーカーなんかでもよくあることですよね。同じサイズ表記のタイヤのはずなのにメーカーによって実測値は微妙に異なったり、一方だけフレームにわずかに干渉したり…という具合のことがありえるのも、しばしば起こり得ることなのでくれぐれもお気をつけてくださいませ。