FEATURE - 2024.02.27

「自転車乗り」に愛されるE-bike。FARPOINTが目指すもの_case.01 南部 真

自転車を熟知する人は、E-bikeをどう見る?

「今までスポーツバイクに乗ったことがないけど興味があった」
「自分の足に自信がないけどサイクリングをしてみたかった」

 

スポーツ走行や自転車遊びをアシストするという面で、これまで国内で流通していた「電動アシスト自転車」とはまったく違ったものとして広く受け入れられ始めたE-Bike。体力的な間口の広さや、目指すところが異なるその機能性故に、これまでスポーツバイクに触れてこなかった「非スポーツバイク層」を中心に、ここ数年で急激にシェアを増やした。

 

一方で、現在もロードバイクやマウンテンバイクを乗りこなしている健脚なサイクリストからすれば「さすがにアシストはまだ必要じゃないよ〜」なんて言うふうに、どこかしら敬遠されがちなのも事実。

 

でも、もしもあなたが今スポーツバイクに乗っていて、その理由の一つが「風を感じながら自分の好きな場所へ出かけることが好きだから」ならば、少しだけ想像してみて欲しい。

 

旅が好きで自転車に乗り始めたサイクリストなら、今までは敬遠していた距離を楽に行くことができる。その先では見ることができなかった景色と出会えるだろう。

 

「生活における実用性と趣味のサイクリングは相入れないから、普段乗りには一般電動アシスト自転車が一番。」と信じて疑わなかったサイクリストだって、E-bikeがあれば「普段乗り」が「豊かなサイクリング」に変わるかもしれない。

 

サイクリストが「良い」と思う自転車が、そうじゃなかった人にとっても「良い」ならば、これほど素敵なことはない。
だからこそ、FARPOINTは、まず「自転車乗り」にこそ興味を持ってもらえるE-bikeを目指した。


 

2018年のデビュー以降、数年のブランクを経てカムバックしたE-bike、FARPOINT。
自他共に認める「自転車乗り」は、このFARPOINTをいったいどういうふうに見るのだろうか。

 

話を聞いたのは、人気自転車ショップ「サイクルハテナ」*を切盛りするディレクター、南部 真さん。

 

自転車と音楽をこよなく愛し、京都の老舗自転車店「エイリン」に20年以上勤務する全スタッフの兄貴的な存在で、時にはその豊富な知見を背景に、外部からのライティング業依頼もこなす根っからの「自転車乗り」だ。

-普段の自転車はどんなものを乗られてるんですか?
京都でハンドメイド製造される オリジナルのグラベルバイク「MAJORTOM」や、GROWNBIKESというブランドの「HEYJOE」を愛用してます。
毎日の賀茂川河川敷沿い通勤をはじめ、お店で主催する毎週末のライドイベントもそうですし、休日は子育ての隙間を見つけて家の周りの旧道~林道へふらっと出向く日々を過ごしてます。

*サイクルハテナ (サイクルショップeirin丸太町店別館)
京都の老舗自転車店エイリンが、2018年に装い新たにオープンした”自転車×アウトドア”を提案するショップ。
自転車を単なる日常の移動手段に終わらせず「文化」として普及させるべく、ほぼ毎週末に実施される「ハテナサイクリング」をはじめとし、年間通して大小様々なイベントを主宰。「自転車が趣味であり生活の一部」である個性豊かなスタッフ自らが”いま欲しいもの”という観点で厳選した自転車+αが所狭しと並び、広い目線でアウトドアアクティビティに関連するプロダクトをセレクトしている。

 

 

-日常でスポーツバイクをよく乗る南部さんにとって、あえてE-Bikeにはどんなことを期待する?どんなものであって欲しい?
体力に自信のない方へのアシストは勿論の事ですが、アシストのパワーによって多くの荷物を運んだりできたら面白いなっていうのは思いますね。
例えば、普段のキャンプライドではどうしてもミニマムさを重視して軽量でコンパクトなギアで楽しんでいますが、E-Bikeなら多少重くなってもパワーでカバーできるし、ちょっとぐらい荷物が増えてもそれはそれで贅沢なキャンプライドが楽しめるのかなと。
自転車屋の目線で見ても、いわゆる一般電動アシスト自転車の延長線で乗れるようなおしゃれなE-bikeや、ロードバイクから派生してオンロードでの巡航性を意識したE-ロード、MTBにアシスト機能を持たせたE-MTBなど…各社個性を出して結構いろんなものが出回ってきた印象ですが、自分の普段の乗り方からの延長線を考えると、そのいずれとも微妙に違うっていうのもあって、あえてそのどれにも属さないようなものがあれば面白いなとは思います。

-FARPOINTに乗ってみてどうでしたか?
FARPOINTは、さっき僕が言ったような欲求はしっかり満たしてくれそうでしたよ 笑。ちょっと長めに取られている専用キャリアも(今回はパニアバッグをつけてみたけど)実際はもっと積めるだろうし。あとは、過剰なタフネスさに振り切っていないけど、でもペダルを踏めばちゃんと進んでくれるこのモダン・スポーツバイクらしい軽快な走行感は好みでした。
これって確かJARIのフレーム&フォークを設計のベースにしてますよね?JARIの印象で一番強いのは、やっぱりアルミとカーボンの良さが素直に落とし込まれた剛性面と軽量性のバランスの良さだと思うんですが、それがしっかり受け継がれてる気がしました。正直いってE-Bikeにはそういう期待はあまりしてなかっただけに、いい意味で裏切られたというか。ちょっと極端な例えですが、アシストOFFモードでもちょっと走ってみたんですが、充分走りました。

-グラベルに造詣の深い南部さんだから、そういうコメントは想定してましたがアシストOFFでチェックされるとは 笑。
あと、2024モデルから新規採用されたマルチポジションハンドルも調子が良かったです。程よいバックスウィープはスタンダードポジションでは手首にしっくりくるし、ちょっと頑張って走りたい時に前方の持ち手が握れるのも良い感じ。ライトやスマホなどを付けるのにも便利なので、幅広い人にとって魅力を感じる良いアップデートだと思います。あと、車体そのものが意外と軽量だったのも嬉しいポイントかな。駐輪時にスタンド立てる時も楽だし。

2024年モデルから採用のマルチポジションハンドルバーは、ポジションの選択肢が豊富なだけでなくハンドルバーバッグやライトの装着もしやすい

-仕事柄いろんなE-bikeに触れることも多いかと思いますが、それらと比べて印象的な部分とかはありましたか?
やっぱり、後ろに少し長さを取ったたミッドテール設計を、グラベルバイクに軸足を置きながらうまく組み込んだのは他には無い点だと思います。
例えばホイールサイズ一つにもそういう意図が感じられました。グラベルバイクというカテゴリで考えると、ホイールが大きい方が本格的なロングツーリングに適している。一方で、E-bikeは高価なものなので、ともすれば汎用性を考えて20インチなどの小径に落ち着きがちですが、そうなっていないのはやっぱり「意図」的なのかなと。メカユニット部分を保護するためにプロテクターが採用されているという点も、ライドシチュエーションが必ずしも舗装路に限定されていないことの現れですし。
なので、グラベルライドにおける十分な機動力と、それに加えて荷物の積載性に秀でているという点は、通常のスポーツバイクにも他のE-Bikeにもない、アシストの効果をより+@で活かせれるFARPOINTならではのロジックであるように思います。
あと、個人的にはスポーティさと武骨さが絶妙に入り混じったこのルックスも好みです。速さ・軽さといった通常のスポーツバイクのスポーティなデザインと下手に張り合っていないのも潔くて好印象でした。

精密機械であるモーターユニットを覆うように、プロテクターを装備。悪路走行時に予期せぬ下部からの衝撃を防ぐ。

-どんな人にオススメ?
荷物もたくさん積めそうですし、日常使いにも優秀なので、大前提として幅広くオススメできるモデルですよね。色もシャンパンゴールドのような上品な色なので、レザーサドルとかも似合いそう。サドル、グリップ、タイヤなんかは自分好みにカスタムしても面白いかもですし。
とはいえ、自分たちがお店で提案しているスタイル目線で見ると、長距離やグラベルライドにトライしたい!でも体力に自信がなくて心配…な方だとか、サイクリング+@の遊びをミックスしたアクティビティにご興味ある方にはすごくオススメしたいなと。どうしても荷物の量が多くなるカメラが趣味の人や釣り、キャンプが好きな人などはド真ん中じゃないでしょうか。

バッテリーをシートチューブにマウントする、一般的なE-bikeではあまりみられないレイアウト。
長めのリアキャリアの積載性もさることながら、バッテリーの干渉を受けないおかげでフレームバッグやボトルケージの装着の選択肢も多い。

-南部さんなら、FARPOINTをどんなふうに使ってみたいですか?
やっぱりまずは積載性能の高さを活かしたキャンプライドですかね。少しの距離ですが、自分達が普段から日常的に走りに行く、オンロードを経てグラベルへ向かうようなルートをこのバイクで走るとすごく楽しかったんですよ。ULなバイクパッキングスタイルのキャンプライドだとどうしてもいろいろ制限しがちですが、これならその辺りは気にしなくて良い。
あと個人的には、チャイルドシートをつけて子供と一緒に出掛けてみたい。妻も自転車だったり自然が好きだったりするので、リアorフロントにチャイルドシート、なんならサイクルトレーラーを用意しちゃえば、キャンプ道具を出来る限り積んで、家族皆で林道~旧道を経て湖畔でチルアウトなんていうふうな、これまでは考えもしなかったアプローチで遊ぶことができそうです。

僕たちはお店でもオンロード・オフロード選ばず サイクリングを楽しめるグラベルバイクの楽しさを発信していますが、FARPOINTもその流れを汲む新たな選択肢。
もちろん普段乗りで使うのも良しですが、普段なら「いつもここがキツイ…」な激坂でもスイスイ登っていけるのはやっぱりノンストレス。ハードなシチュエーションだとよりシンプルに「E-BIKEスゴイ!」ってなりますし。
クルマ、バイク、徒歩のどれとも違う、人力による心地よい速度域で楽しむサイクリング本来の魅力を より幅広い層に伝えれる存在になって欲しいです!


今回インタビューさせてもらった南部さん率いるサイクルハテナでは、3月末までの長期間、FARPOINTの試乗車を設置中!試乗の予約等はショップまでお問い合わせください。